Installationとは、作家の意向に沿って空間を変化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術です。空間全体が作品であるため、鑑賞者は一点一点の作品を「鑑賞」するというより、作品に全身を囲まれて空間全体を「体験」することになります。
体験させるという意味では、Performance Artと似ているかもしれません。
ここでは、場所・空間にフォーカスしてみます。
茶の湯は「市中の山居」という言葉が良く用いられますが、喧騒の街中に、静寂な茶室が作られます。
茶室へと続く庭も多くの工夫が施され、喧騒の街中とは異なる別世界を演出します。
そもそも森の中であれば、そうした演出は不要ですが、喧騒の街中にほんの少しの間だけ、演出することで、集中力も高まることになります。
そして、茶室の中には、亭主がテーマに沿って、選び抜いた茶道具だけが運び出され、茶事が終わった後はすべて片づけられます。
まさしく一時のInstallationとなるわけです。
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